本部長からご挨拶

 本部長の服部めぐみです。愛知県の豊橋と豊川がらくなーる本部の活動エリアです。
2012年2月、マッサージ師一人とパートナー二人から始まったらくなーるの訪問マッサージですが、浜松・蒲郡・浜北の三つの支店に拡大し、4つの事業所を合わせると10名を超えるマッサージ師が働けるまでになりました。
らくなーるのマッサージ師は全盲・弱視と見え方は様々ですがすべて視覚に障がいがあります。鬼塚代表理事が掲げた「障がい者の経済的自立」という経営理念に賛同し、晴眼パートナーと協力して訪問マッサージを通じて地域の方のお役に立てたらと走り続けてきました。

 障害や高齢により麻痺・拘縮などで自身では体を動かすことができない方の「動かすお手伝い」をするのが私たちの仕事です。医療保険を使ってご自宅や施設を訪問して施術します。マッサージというと、揉みほぐすとか、なでさするなど、と思われがちですが、らくなーるでは、体に負担のかかりにくい位置に整えて正しい方向に動かすことをメインに施術しています。在宅ケアの第1人者西村久代先生と脳性麻痺児の治療法を開発された上田正先生の施術法を学び、利用者様の症状や体調に併せて施術内容を決め、マッサージ師で常に情報共有し技術のレベルアップを目指しています。

 マッサージ師のほとんどが寝たきりまたは車いすで生活されている方の体を触ることに慣れていない状態で入社してきます。誰もができるだけ同じように利用者様の施術をさせていただけるようにしっかり社内研修をしてから訪問を開始します。必ず2人一組で訪問させていただきますので施術だけでなくスタッフとの会話を楽しみに待っていてくださるご利用者様やご家族もいらっしゃいます。

2人一組での訪問は、晴眼マッサージ師が一人で訪問するのに比べると効率が良くないので、開始当時は正直マイナスに思っていました。でもパートナーは利用者様のお宅への移動だけでなく、室内や利用者様の様子など目で見たことを声で伝えてくれます。マッサージ師が必要と判断すれば利用者様の体を動かす時のサポートをしてもらうこともできます。2人で訪問しているのでどちらかが慣れていればもう一人が初めてでもかなり安心です。一人ではできることが限られている視覚障害マッサージ師ですが、パートナーとの共同作業でできることが増えて自信に繋がっています。これまで介護や医療を担う方からのご紹介をいただきながら少しずつ私たちの仕事を知っていただけるようになったことは大変うれしいことです。心より感謝いたします。これからもより多くの方に利用していただけるように、スタッフ一同、力を合わせて前進したいと思っています。