ショートステイでの訪問マッサージの利用

Hさん(80代女性)は、らくなーるが訪問を開始した平成24年3月からの利用者さんです。
腰椎圧迫骨折と交通事故の後遺症で右膝から大腿部にかけての痛みや痺れが主訴で、筋力低下や運動機能障害がありました。
平成26年に右手首を骨折後、座位保持が困難になり、ベッドで過ごすことが多くなりました。
自宅で週3回訪問マッサージを受けていただき、血流改善や拘縮の軽減・良肢位での座位保持などを目標に施術しました。

平成29年の夏頃から食事が取れない、発熱が続くなどでご主人の介護が限界となり、同年11月に老人保健施設に入所し訪問マッサージは終了となりました。
しかし、施設ではリハビリの機会が少なく、4肢の関節拘縮と変形が進んでしまいました。
ご家族の希望で平成30年3月に特養入所を前提に、同施設のショートステイの長期利用が開始されました。
原則ショートステイでの訪問マッサージは、居所ではないので認められないのですが、Hさんの場合は特養に入所希望だが施設の空きがなく待ちの状態で、ショートステイを長期で利用せざるを得ない状態なので、実質的にショートステイ先が居所である、として愛知県の広域連合が「特例として訪問マッサージを認める」と判断してくれて、3月中旬から施術が再会されました。

3ヶ月以上ほとんど体を動かさなかったHさんは、右股関節が外旋し、膝は屈曲拘縮、肩、肘、手首などは動かしづらくなっていました。
それでもらくなーるの「動かすマッサージ」を覚えていてくださったのか、施設での1回目の訪問の時はそれは嬉しそうでした。
施術の最後に座っていただくと、少しずつ肩の周りや肘が動きだしました。
施設では車いすで3度の食事を規則正しく取ることができ、らくなーるのマッサージで動かしやすい体になっていただく。
あちこちが動かしやすくなれば、介護する方もHさんも着替えやおむつ交換が楽になります。

ご自宅での訪問の時は小さな声だったHさんですが、初めて施設にうかがった時、「またマッサージやってもらえるんだ!」と大きな声で嬉しそうに言われていたのが忘れられません。
横になっていると、昼間でもうとうとしてしまいますが、マッサージで体を動かすと「さっぱりするし気持ちがいいです!」とたいへん意欲的です。
今まで動かさなかった分、痛みがあるようですが我慢強く受けてくださり満足していただいています。(服部)

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