視覚障害者のスマホ事情

みなさんがお使いの携帯電話は、ガラケーですか?それともスマホですか? 総務省の調査では平成28年のスマホ普及率は72%にまで増えたそうです。
ここ数年、視覚障害者の間でもスマホユーザーが増えています。

スマホは、手のひらサイズのパソコンのようなもので、ニュースを見たりインターネットで検索ができたり、本が読めたり、今いる所の情報や道案内をしてくれたり、色を教えてくれたりと、見えない生活を補ってくれてとっても魅力的な道具です。

とはいえ、「あのツルツルの画面を、いったいどうやって操作するんだろう?」「私にうまく使えるのだろうか?」
そんな不安があって、なかなかスマホに乗り換えられなかった服部ですが、数年前からスマホデビューしてしまいました!
最近では、画面を触らなくてもけっこう使えることがわかってきたので、今日はそのお話です。

私が使っているのはiPhoneです。
「ボイスオーバー」という画面読み上げソフトが購入時から入っていて、使えるアプリが多いこともあり、iPhoneを選ぶ視覚障害者が多いようです。
このボイスオーバーを「オン」にした状態で音声アシスタント機能の「Siri(シリ)」を使います。
ホームボタンを長押しすると「ポポン」と低い音がします。
そこで「○○さんに電話をかけて」と言うとSiriが「○○さんに電話をかけています」と答え、発信されます。
電話帳に登録されている相手であればメッセージを送ることもできます。
またSiriに「新しいメッセージを読み上げて」とか「電話の着信履歴を読み上げて」などと言えば、すぐに応じてくれます。

さらに設定を変えることで、ホームボタンを長押ししなくても「ヘイ Siri」と言うと「ポポン」と低い音がするので、続けて話せばSiriが答えてくれます。
手がふさがっている時などは、この方法は便利です。
iPhoneを使えるのはツルツルの画面をうまく操作できる根気強い視覚障害者に限る、と思っていた時代はもう終わったようです。
機械に弱くても、年齢が高くても使ってみたいと思う人なら誰でも使える、そんな仕様になってきています。

そのことを多くの人に知っていただければと8月に放送されたのが「視覚障害ナビラジオ」の「超初心者向けナビラジ スマホ教室」です。
2回シリーズで放送されましたが、Siriのお話は1回目に出てきます。
よかったら聞いてみてください。

https://www.nhk.or.jp/heart-net/shikaku/list/detail.html?id=47136#contents

(服部)

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