「ブラインドメイク」って何?

目が見えなくても鏡を見ないで自分でフルメイクアップができる「ブラインドメイク」。
新聞やテレビ、視覚障害の友人から情報をもらっていて、気になっていました。

ブラインドメイクを確立し、日本ケアメイク協会代表で日本福祉大学大学院で研究員をされている大石華法先生の講演会が豊橋の東新町にある「さくらピア」で行なわれると聞き、ワクワクしながら行ってきました。

12月9日(日) さくらピアの相談室企画の講演会には、女性だけでなく男性の参加者もあり、多忙なスケジュールの中、大阪から駆けつけてくださった大石先生の話に皆熱心に聞き入っていました。

「ブラインドメイク」は、大石先生が2008年ごろ支援していた視覚障害女性とのやり取りがきっかけで始まったそうです。
その女性に口紅をつけてあげたところ、とても喜ばれました。
話を聞くうち、「実は自分でできたら」望んでいたと知り、考えたもので、両方の指を左右対称にワイパーのように使って行なうメイク方法です。

普段の私は、リップを筆で付けていますが、はみ出てしまうことがよくあります。
アイブローやアイカラー、マスカラなどのアイメイクは特別なときだけ、人にお願いしています。

ブラインドメイクでは20分で鏡を見ないでフルメイクができるようになるそうです。
教えてくれるのは「化粧訓練士」という資格を持つ方で、つけ方だけではなく、その人に似合う色や仕上がり具合を1対1で「しゃべる鏡」のように伝えてくれるそうです。

講演終了後、大石先生とお話させていただきましたが、現在眼科でロービジョンケア(見えない、見えにくい人への支援)を行なっているところでは、眼科医や視能訓練士がブラインドメイクを教える「化粧訓練士」の資格を取り、外来でブラインドメイクの指導ができるようになったそうです。
愛知県内では名大病院で受けられるそうです。

目が見えなかったり、途中で見えなくなったことでメイクをあきらめて家に引きこもっていた人がブラインドメイクと出会い、自分でフルメイクができるようになり自信が出てきて、充実した日々を過ごせるようになった様子がまとめられた「ブラインドメイク物語」は、視覚障害女性にとって如何にお化粧が大切かを伝えてくれている本です。

海外でも反響が大きく、先生と視覚障害女性とで中国や韓国へも行かれているそうです。
メイクができるようになった視覚障害女性たちの中には、ブラインドメイクを教える「化粧訓練士」の指導をしていて、どんな風に教えてもらえたら分かりやすいか当事者の立場で伝えているそうです。
それが彼女たちの収入になるような仕組みにしていると大石先生からうかがい、ブラインドメイクのすばらしさが伝わってきました。
いつか私も習ってみたいものです。(服部)

日本ケアメイク協会
http://www.caremake.jp/

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