かるがも講座 

視覚障碍者が外出する手助けをするのに福祉サービスでは「同行援護」がありますが、豊橋では同行援護が使えなくても外出をサポートしてくれるボランティアグループがあります。社会福祉協議会登録グループ「かるがも」さんです。ボランティアグループが外出サポートをしている地域は数少なくなり、貴重です。
このグループは毎年7月に新規メンバーさん向けに「ガイドヘルプボランティア養成講座」を実施しています。今年は、7月6日と7日に豊橋の総合福祉センターあいトピアで行われ、歩行訓練士の山本先生とともに講師として参加してきました。5名が受講され、私は1日目の午前中 視覚障碍者の日常生活の様子をお話しました。
今回はスマホアプリの紹介を加えてみました。目が見えなくて困ることは、外出などの移動の他に、文字や物の形、色や明るさなどの情報がないことです。それを助けてくれるアプリがあります。アプリが起動するとカメラに映った対象をモードに合わせて「文字」「製品」「顔」「紙幣」「色や明るさ」など知ることができます。
毎回好評の紙幣の識別では、「文字」モードではお札に書かれている数字などを読み上げますが、紙幣モードにすると「1万円」と読み上げます。紙幣識別マークや長さの違いでお札を区別する方法に加えスマホを使うことも選択肢の一つなのです。信号の色や周りの様子を知らせてくれるアプリもあります。スマホが使えることで目からの情報がないのを補えます。

でも毎年お話しさせていただいて思うのは、やはり人の力は欠かせないなあということです。特に外出時、ホームからの転落事故や踏切での事故のニュースを聞くたびに周りに声をかける人はいなかったのだろうか?と思います。歩行訓練を受けて一人で歩けるようになるのは外出の自由を手に入れられて嬉しいことですが、一緒に歩いてくださる方がいるのはやはり安心です。

二日間の講座では受講生の方が山本先生から視覚障碍者に関する講義を受け、かるがもメンバーさんと一緒に外を歩く体験をされました。新たな、かるがもメンバーさんが増えて私たち視覚障碍者の外出サポートが充実することを願っています。毎年養成講座を開催してくださる社協ボランティアセンターのみなさん、日々の外出をサポートしてくださるかるがものみなさんありがとうございます。(本部 服部)

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