2025年4月26日、豊川市小坂井生涯学習センターにて、ビギン主催の第10回盲導犬体験会が開催され、参加者は39人で、盲導犬の役割や視覚障がい者の移動について学ぶ貴重な機会となりました。
まず、中部盲導犬協会の先生から盲導犬についてのお話を伺いました。
盲導犬は単なる歩行補助ではなく、ユーザーの生活の質を向上させる大切な存在であることを学びました。
全国の現役盲導犬の数は10年前には1000頭を超えていましたが、現在は800頭を下回っているそうです。
これは、同行援護の福祉サービスの拡充や、スマートフォンの移動サポートアプリの普及など、視覚障がい者の移動手段の選択肢が増えたことが影響しているのかもしれません。
その後、参加者は二班に分かれて、二つの体験を午前と午後、交代で行いました。
一つの班は盲導犬との歩行体験をしました。
盲導犬2頭と共に、晴眼者の参加者はアイマスクを着用し、ハーネスを持って約500メートルをゆっくり歩きました。
横には歩行指導員の方が付き添い、リードを持って安全を確保しながら進みました。
視界を閉ざされた状態で歩くことの難しさを実感するとともに、盲導犬の誘導がどれほど頼りになるのかを体感することができました。
もう一つの班は、ベテラン盲導犬ユーザーの方から「盲導犬との日常あるある」についてお話を伺いました。
日々の生活の中での盲導犬の頼もしさや、街中でのさまざまなエピソードを興味深く聞くことができました。
特に印象に残ったのは、「ウチ」という命令に関するエピソードです。
ユーザーの方が散歩の途中で道に迷った際に、どこからでも家に帰れるように「ウチ」という命令を練習しましたが、うまくいかなかったそうです。
そもそも盲導犬にナビゲーションをさせる命令はないとのことですから、やはりユーザーが道を間違えないように注意するしかないようです。
視覚障がい者の移動手段の選択肢が広がる中で、盲導犬の必要性もまた変化しているかもしれません。
しかし、盲導犬は単なる歩行補助ではなく、ユーザーの安心感と自立を支える大切なパートナーであることに変わりはありません。
視覚障がい者の移動の自由を守るために、盲導犬とそのユーザーが安心して暮らせる社会が築かれることを願っています。(本部 おにづか)