預金通帳の残高や健康診断の結果など、
全盲の視覚障がい者は、
周りの人に読んでもらわないと分からない事があります。
しかし、これらは最も大切な個人情報なので、
場合によっては家族にも知られたくないものでもあります。
人によっては、体重もその一つではないでしょうか。
私の使っている体重計は、音声で体重だけでなく、
体脂肪率や筋肉量など、
9項目もずらずらとしゃべるので、
家族のいるところでは使えませんし、
家族は誰もこの体重計に乗りたがりません。
ある時、本体には表示部を持たず、
結果をスマートフォンに表示する体重計というのを見つけ、
安価だったので購入してみました。
アプリのダウンロードサイトで体重計の型番を入れて、
アプリをインストールしたまではよかったのですが、
初期設定の入力画面が音声ガイドでうまく操作できません。
年齢や身長の入力が、文字の入力や、スマホボタンでの設定ではないようで、
画面をあれこれなぞっても、アイコンに触れる音もしません。
いろいろ試しましたが、何ともならなかったので、
弟にプレゼントしちゃいました。
多くの視覚障がい者がパソコンやスマホを利用していますが、
健常者に比べて全て同じように使えるという訳ではありません。
アプリによっては文字で表示したアイコンではなく、
写真や絵をタップまたはクリックすることで
操作しなければならないものがありますが、
音声ガイドを頼りに操作する視覚がい者にはそれができません。
以前、テレビの操作の音声化に携わったメーカーの技術者が、
「視覚障がい者がテレビを見るなんて思いもよらなかった。」
と話していました。
アプリを開発する人たちには、
どんなアプリも視覚障がい者が利用することを考慮して、
操作アイコンに文字情報をつけてもらえるように
お願いしたいものです。(蒲郡支店 吉見)