お花見に行くことができたMさん

今年の桜の時期は長かったですね。
3月21日に開花宣言があってから、夜の気温が低かったせいか4月の第1日曜日くらいまで咲いましたよね。
らくなーるの利用者さんも、外へ出かけてお花見ができた方が、何人かいたようです。
今回は、その中の一人、Mさん(70代女性)の紹介をさせていただきます。

Mさんは、50代の息子さんとの二人暮らし。
息子さんは、脳出血による右片麻痺と高次脳機能障害があり2年前から、らくなーるの訪問マッサージを利用するようになりました。

当時のMさんは、ご自身もパーキンソン症候群により体が動かしづらく、背中が曲がり、頭が下がっている状態でした。
そんな体でも、室内を這うようにして移動しながら、息子さんの介護をしていました。

私たちが息子さんのマッサージに伺った際、ご自身の頚・肩の凝りや全身の疲労感を訴えられたので、自費でのマッサージ治療を受けていただきました。
たった1度の施術でしたが「とても楽になった」と感謝されました。

何とか経済的負担を少なくして、定期的にマッサージが受けられないものかと、ケアマネさんと相談しました。
ケアマネさんがいろいろ動いてくださり、介護サービスも開始され、障害者手帳も交付され、医療費助成が受けられるようになりました。
昨年4月から週2回のマッサージ施術を開始しました。

それまで床に布団を敷いて寝ていたMさんは、介護ベッドを借りました。
常に自分のスペースが確保できると、上向きで横になり休憩する時間が取れるようになりました。
らくなーるの訪問マッサージで、筋緊張の緩和、血行促進、正しい姿勢保持、関節可動域・筋力の維持を提案し、Mさん自身も日々のリハビリに励んでいます。

マッサージを開始して1年、前屈みで、下ばかり向いていたMさんの姿勢は少しずつ良くなり、顔を上げられるようになりました。
さらには、声が大きくなり、表情もとても明るくなりました。
なんと、要介護度は2から1に下がったそうです。
私たちとの会話の中でも「今年はお花見に出かけられるといいなぁ」との前向きな言葉もありました。
2年前のMさんからは、想像できない言葉でした。

3月下旬のある日、Mさんは、シルバーカーを押して、家から数分のところにある桜を一人で見に行くことができたそうです。
施術にうかがった際、Mさんが嬉しそうに話してくれました。

年を重ねても、病気と闘っていても、できることが一つずつ増えていく。
Mさんと、ささやかな幸せが共有できて、とても温かい気持ちになりました。(服部)

最新情報の一覧に戻る