盲導犬体験会に参加して

5月12日(日)にビギン(東三河視覚障害者自立支援協会)の主催で「第9回盲導犬体験会in豊橋」が豊橋市のさくらピアで開催され、私もビギンメンバーの一人として参加をしてきました。
ビギンは人生の途中で視覚に障害を負ってしまわれた「見えない、見えにくい方」を支援するボランティアグループです。普段は点字教室やパソコン教室を定期開催しています。
この日は、視覚障害当事者とその家族、ヘルパーさん、一般参加者(盲導犬に興味を持たれた晴眼者)などの総勢42名と中部盲導犬協会から指導員の先生2名が集まりました。
まず初めに中部盲導犬協会の先生方から、盲導犬に関する様々な基礎知識を教えていただきました。
その中でぜひ皆さんにお伝えしたいのは、盲導犬は「貸与」だということです。子犬が産まれたらまずはパピーウォーカーと呼ばれる方のところで育てられます。その後は協会で盲導犬になるための厳しい訓練を受けだいたい1歳半から2歳くらいで盲導犬として使用者(ユーザー)のもとに貸与されます。10歳を目途に盲導犬としての生活を終え、パピーウォーカーもしくは引退犬ボランティアさんのもとで余生を過ごします。盲導犬になるために生まれた10匹の子犬のうち実際に盲導犬になれるのは3頭くらいだそうです。
また、盲導犬の排泄はワンツーベルトという排せつ用のベルトを腰に巻き付けて排せつ袋を尻尾にくくりつけて袋の中でさせます。理由としては、排せつ物がどこにあるのかをユーザーが把握することが難しく処理が大変なためです。
講義の後は2班に分かれて盲導犬との歩行体験とユーザーとの懇談をそれぞれ行いました。

歩行体験は会場の周辺を盲導犬と一緒に歩きました。じつは、私の母がユーザーでいつもそばにいるので、指示の仕方などに戸惑いはなかったのですが、白杖歩行と比べて、よりスムーズに歩くことができるのは本当に心地よいものでした。


ユーザーとの懇談では、3名の方に様々な質問に答えてもらいました。例えば散歩中のエピソードでは、気候の良い日に初めての場所に歩いて行ったら迷子になってしまい、「家」という命令をかけたら軽快に歩き出して余計に迷子になってしまったというお話。また、盲導犬と暮らし始めて一番大変なことは?という質問では、排せつに苦労しているというお話があり、よかったことは、行動範囲が広がった、新しい出会いが増えたなどという方もいました。
参加者からの感想で、「盲導犬はどこへでも連れて行ってくれるものだと思っていたが、そうではなく自分で指示を出していかなければならないんだということを知りました」、「将来盲導犬をもらいたいと考えているので今回の体験会に参加できてよかった」などといった声も聞かれました。
最後に、1頭の盲導犬がデビューするまでには育成費として500万円という高額な費用がかかります。この費用の大半は皆さんからのあたたかい募金によって成り立っているということを教えてもらいました。私もときどき募金に協力をしていますが、これからも続けていきたいと思います。(本部 中西)

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