目が見えない・見えにくい人が日常生活で困ること・・・
1. 移動(室内や屋外で行きたいときに行きたいところに行く)
2. 読み書き(普通文字を読んだり書いたりすること)
この二つが大きな問題です。
今回は「読み書き」の中の「読むこと」についてお話します。
目が見えない人には「点字」というのは子供でも知っていますが、実は全国の視覚障害の障害者手帳保持者31.2万人の中で点字を日常生活に使っている人は1割程度の約3万人と言われています(平成28年度厚生労働省調査より)。
これは、とても少ないと思われるかもしれませんね。
31.2万人の中の77%に当たる24万人が60歳以上の高齢者です。
事故や病気で視力が低下し、はじめて障害者手帳を申請する年齢も50歳以上が増えているようです。
その年齢から点字を覚えて読めるようになるのは、なかなか大変なことだと思います。
そんな現状の中、文字が音声で確認できて、諦めていた読書がまた楽しめるようになった、というお話を聞きました。
Aさんは、新聞を読むのを日課にしていましたが、視力が低下しそれができなくなりました。
視覚障害者の会の仲間から豊橋の音訳ボランティアグループを紹介され訪ねてみると、毎週定期的に新聞をその場で読んでもらえる「対面音訳」というのがあることが分かりました。
Aさんは、新聞だけでなく、今までお気に入りで読んでいた雑誌も読んでもらうことにしました。
その雑誌は音訳グループの方たちにも好評で、他の方にも聞いてもらえるようにとCDに録音され、毎月希望する読者に郵送で送られてきます。ちなみに服部も最近聞き始め、美しく年を重ねる情報をもらっています。
Bさんは、楽器の演奏が好きで、新しい楽譜がほしいと思っていました。
でも普通文字の楽譜が読みづらくなり諦めていたところ、同行援護のヘルパーさんから、知り合いの視覚障害者が携帯型の音声録音再生機を使っていると聞き、借りて使ってみました。
ボタンにはすべて音声ガイドが付いていて、聞きたいところにすぐ移動でき、軽量なので持ち運びも簡単。
しかも音楽だけでなくインターネット上にあるたくさんの音声録音図書をダウンロードして読書が楽しめることも分かりました。
Bさんは、「プレクストーク」(下の画像は、シナノケンシ株式会社ホームページより)というその機械が視覚障害者の日常生活用具になっていることを知り、さっそく市役所に申請をしたそうです。
目が見えない、見えにくい人にとって「音」は、とても大切なものです。
これは、点字を自分の文字として使っている人にとっても、手軽で快適なものです。
今回ご紹介したものはほんの一部で、「読む」を補うための方法はまだまだたくさんあります。
毎月第1日曜日の午後、豊橋市前畑町の「あいトピア」で行なわれているボランティアグループ「ビギン」のパソコン教室などでもご紹介できますので、興味のある方はぜひいらしてください。
(服部)
ビギンホームページ
http://begin-m.org/