視覚障害者とスマホ

最近はスマートホンを利用している全盲の視覚障害者をちょくちょく見かけるようになりましたが、私が使い始めた6年前はほとんどいませんでした。
当時、パソコンでインターネットを見ていたら、「視覚障害者でも音声を頼りにスマートホンが使える!!」との書き込みを見てスマホを購入したときは、周りに誰も教えてくれる人がおらず、パソコンなどで情報を集めながら独学で学習し、メールを送信できるまでに7日くらいかかったことが懐かしく思い出されます。

今ではメールやLINEで情報をやり取りし、ニュースや天気予報を確認し、電車・バスの時刻を調べ、コンビニやレストランでの電子決済、マラソンの練習での距離やラップタイムの計測、視覚障害者向けの音声図書を聞いたり、ネット通販の利用など、スマホなしでは一日も過ごせない状態になってしまいました。
私はまだ試していませんが、映画館でスマホにつないだイヤホンから場面の解説放送を聞くアプリやサービスもあります。

しかし、スマホの操作は健常者のようにさらさらっというわけにはいかず、特に文字の入力には時間がかかり、メールなどで長い文章を書くのはとても煩わしく感じています。
ところが、少し前の点字新聞に、私の持っている点字ピンディスプレイでスマートホンを遠隔操作したり、文字入力ができるという記事があり、試してみました。
スマホに専用アプリを導入し、パソコンからピンディスプレイのファームウエアのデータをダウンロードし、それをピンディスプレイで実行・導入。
アプリを実行し互いを通信で接続したところ、アイコンの移動や実行などは、反応が遅いもののうまくいきました。
ところが、もともと点字しか表現できない点字ピンディスプレイで日本語の漢字かな交じり文を表示するには、煩わしい手続きやルールを覚える必要があり、私はそれを身に着けていませんでした。
それもやはり反応が遅いので、私が自由に文字入力できても、さらさらっというには課題がありそうです。

吉見とスマホ

家電や携帯電話は日々進化してるものの、視覚障害者がその恩恵を十分に受けられていません。
そんな中でも、使えるものをどん欲に探し、利用していくのはとても大切なことだと思っています。(蒲郡支店 吉見)

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