風のかおる時期が一年に2回あると思います。
一つは5月の薫風。風が青葉のかおりを運びます。もう一つは10月。
木犀が花を咲かせる時期。どこからともなく流れてくる芳香。
木のありかはわからなくても木犀の花の香りだとすぐにわかります。
何となくしあわせ感に包まれ、ああ秋だなあと思いませんか!
この香りを運ぶ風を、私は自己流に香風と呼んでいるんです。
金木犀はオレンジっぽい小花が集まって咲き、銀木犀は白色の小花が集まって咲きます。
日本には香りを楽しむという文化が根差していますので、この木はあちこちに植えられています。
因みに静岡県の県の木にもなっています。
中国では桂花といわれ、花を乾燥させた桂花茶やお酒に花を入れた桂花酒などが普通に売られているんです。日本では芳香剤として活用されていますが、多様な楽しみ方もありかなと思うこの秋です。
木犀のかおりほのかにただようと
見まわせど秋の光のみなる(窪田空穂)
(浜北支店 M)