石蕗は日本原産で菊に似た一重の黄色の花を咲かせます。葉がつやつやしていて蕗の葉に似ていることからつわぶきと名付けられたそうです。
そして海岸の崖や岩場に自生することから石の蕗(つわぶき)の字が当てられたと言われていますが、とにかくたくましい植物です。
この花を知ったのは20代のころ。冬に伊豆半島を旅した時でした。伊東から下田に向かい国道135号線を走っていたバスの窓から黄色の花があちこちに見えました。
海からの冷たい潮風を受けて健気に咲く花は何だろう?
宿で聞くと「つわぶき」と教えてくれたのです。
石蕗は12月の花の少ない時期に、太陽の光を一身に集めたような、
鮮やかな黄色の花が咲きます。わが家の庭にもあちこちに群れて咲いています。寒い中に陽光を浴びて輝くばかりに咲き誇る姿は、
目立たないようでいて、心に残る冬の花なのです。
わが母の好み給いしつわぶきの
この海の辺(べ)に匂いぬるかな(花山天皇)
(浜北支店 M)