冬の花の少ない時期に咲く花に節分草があると山野草の本で知り見たいものだと長年思っていました。
冬のある日、奥三河の乳岩に歩きに行った帰り「節分草の咲くお寺石雲寺」の看板を見て寄ってみました。蠟梅の香りに迎えられ境内に入ると、山からの水を引いた池に弁天堂が祀られていました。
そのうしろの緩やかな斜面が粉雪が降った様に白く見えました。近づくと雪ではなく何と一面に花が咲いているのです。白い小さな花が無数2月の陽光に輝いています。
ああこれが節分草・・・ようやく会えた! もう感動ものでした。
背丈は10㎝程、小さいので膝をつきじっくり眺めると花は紫がかった白い花びらが5枚、中心に紫色のしべその回りに黄色のしべがあります。大きさは指の爪くらいで、見れば見る程に可憐で愛らしいのです。
細い葉が花を囲むように出ていて上から見ると、その葉が花を引き立てる光背のようにも思えます。花言葉の「光輝」の意味がわかります。
名前の由来は早春に芽を出し節分の頃に花を咲かせるからとか。
節分草 膝つきみれば 息とどく (飯田角子)
(浜北支店 M)