「今日も笑顔」 第2回目にご紹介するのはNさん(32歳女性)。脳性麻痺で車いすを使用し、デイサービスなどを利用しながら両親と妹の4人で自宅で生活しています。
高齢の方中心に訪問させていただいていたらくなーるですが、脳性麻痺の方に有効な施術法を見つけ、障碍者の入所施設での体験会で紹介させていただきました。そこに参加してくださったのがNさん親子でした。らくなーるの訪問を以前から高齢者の入所施設で看護師の立場で見ていてくださったお母様が、Nさんの訪問マッサージの利用を決めてくださいました。
2018年5月に訪問を開始しました。脳性麻痺の方の施術に不慣れだった私は、コミュニケーションの取り方が分からず緊張していました。それがNさんにも伝わり、体に力が入りかなり抵抗されました。思うように動かせないのはもちろん、集中できず10分続けられたらOKという感じでした。自分の気持ちを言葉で伝えにくいNさんと表情からNさんの気持ちを確認することができにくいマッサージ師とが仲良くなるのに時間がかかりました。上下肢の向きを整える、動かす範囲を広げる、体幹のねじれを整える、血流を良くして下肢の浮腫みを減らす…課題はたくさんありましたが、Nさんが楽しく続けてくださるにはどうしたらいいか?をスタッフみんなで考えながら進めていきました。5年間続いた週1回の訪問は何人かのマッサージ師とパートナー、妹さんが傍にいてくれる中、リラックスして25分の施術が受けられるようになりました。臥位だけでなく、座位での運動ができるようにまでレベルアップしました。座位の運動は一緒に数を数えながら動かせる時もあります。リラックスして機嫌が良いと体がよく動きます。
家族で出かけたり、おいしいものを食べに行ったり、体調を気にしながらも積極的に外出されています。そんな様子をお母さんや妹さんから聞くと私たちも嬉しくなります。
車いすに座っている時、体が前に傾き、左手が車いすの外側に落ちてしまうなど課題はありますが、安定して座れるようになってきました。
Nさん家族の笑顔が私たちの元気の素です。脳性麻痺の方にもらくなーるの施術が効果ありと実感できた出会いです。これからも微力ながら、体を動かすお手伝いを続けさせていただけたら嬉しいです。(本部 服部)