花つれづれ12月  寒葵(かんあおい)    花言葉・・秘められた恋 

木枯しが吹き広葉樹の葉が落ち尽くした冬の里山。山道をゆくとカサコソカサコソ落葉のつぶやきが聞こえてきます。山を彩った花々は眠りの時期ですが、この時とばかり花を咲かせる山野草があります。でも恥ずかしがり屋なので自己主張は出来ません。足もとにハート形の葉を見つけたら、落葉をかき分けてください。何枚かのハート形の葉のまん中に、なかば土に埋もれて咲いている花を見つけることができます。これが寒葵です。

寒葵は小さい常緑多年草。厚みのある葉は光沢があり、茎は短く5~10㎝位。根元の花は先が3つに裂けた堅い筒状で、花の色は控えめな暗紫色。このような境遇に咲くから花言葉が「秘められた恋」なのかも知れません。(地面すれすれに咲くのはアリが花の中に入ってきやすいようにとも言われています。)
葵というと「この紋所(もんどころ)が目に入らぬか!」でおなじみの徳川家の三つ葉葵の紋を連想されると思います。葵は園芸種が多く、徳川家の葵の紋のモデルといわれるのは『フタバアオイ』です。1年中緑色でいるのは元気で縁起が良く、子孫繁栄につながるところから家康は「どうする 家紋!」と考えた挙句に葵にされました。薬草のお好きだった家康は山野草にも関心がおありだったかも。
寒さの中にひっそりと咲く寒葵にはひなびた味わいがあります。(浜北支店M)
軒下の 日に咲きにけり 寒葵   (鬼城)

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