「点字ディスプレイ」のおはなし

普通の文字の読み書きができない目の見えない人にとって「点字」はなくてはならないものです。
紙に穴をあけることで触ってわかる文字になり、1マス6点の組み合わせで、かな・数字・アルファベット・数学記号・楽譜など、いろいろな文字や記号を表すことができます。

私が初めて点字に出会ったのは、盲学校の小学1年生の時でした。
点字用の定規の間に紙を挟んで、点筆(てんぴつ)と呼ばれる金属の棒で穴を空けていきます。
まさに「書く」という感じですが、はじめはとても時間がかかりました。

小学校高学年の頃には、点字のタイプライターを買ってもらって、一押しで一文字書けるようになり、かなりスピードが増しました。
2000年を過ぎた頃からパソコンが普及し、手打ちやタイプライターで点字を書くことがだんだん減ってきました。

今、私の日常は「ブレイルメモ」という点字ディスプレイを使うことで、とてもスピーディーに、かつ正確に点字の読み書きができています。
特にお気に入りは「ブレイルメモポケット」という16マスの点字ディスプレイです。
電源を入れると数秒で16マスのディスプレイに点字が現れます。
樹脂製の点字なので、文字もはっきりしていて紙のように薄くなることはありません。
文字を消したり書き足したりがとても簡単です。
パソコンと接続すれば漢字かな混じりのテキストデータが点字に変換されて、ブレイルメモに表示されます。
検索機能も充実していて、たくさんの文書の中から探したい内容が短時間で見つかります。

愛用のブレイルメモポケット

スケジュール管理や利用者さんの状態を記録したカルテ、技術のレベルアップに参考にしたい情報など、いつでも見ることができます。
料理のレシピやカラオケの歌詞、読みたい本のデータを入れることもあります。

文明の利器はさらに進化し、最近の点字ディスプレイはパソコンと一体化しています。
電源を入れると点字表示だけでなく音声案内もあります。
点字初心者でも音を頼りに使えるというわけです。
紙で読むよりディスプレイ上の点字の方が読みやすいです。
点字だけでなく音楽や朗読の再生、録音などもできます。

高性能のブレイルメモスマート

最近は人生の途中で視力を失い、点字を学ぶ方が増えていますが、そのような方たちにこの点字ディスプレイはお勧めです。
豊橋市や浜松市ではこの点字ディスプレイが、「日常生活用具」の対象になっており、購入時に補助が受けられます。
手で触ったり音で確認したりしながら、自分の文字を持つ生活を取り戻すことができるのです。
点字の世界も、紙に書かれたものからディスプレイに表示されるものへとだんだん変わってきています。
(服部)

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