今回もまた少し、コーヒーの話にお付き合いください。
私は、コーヒーの抽出はペーパーを使ったハンドドリップが一番美味しいと思っています。ゆっくり豆を蒸らし、コーヒー液が豆に吸い込まれる様子を見ながらお湯を注ぐと、豆の特徴を引き出し、おいしく抽出できると思っています。しかし、全盲の私にはハンドドリップはできません。
仕方なく、家で飲むコーヒーは、サイホンで抽出しています。
ある時ネットで{ドリップアシスト}という器具を見つけ、「これを使えばプロの抽出に近いハンドドリップができる。」とあったので、購入してみました。
カルデラ火山の模型のようなプラスチックの容器で、ドリッパーの上にこの器具を乗せ、中央の穴に蒸らすためのお湯を注ぎ、しばらくしたら、外輪山の内側にお湯を注ぐ。 というものです。早速試しましたが、ダメでした。ケトルを傾けてお湯を注ぐのですが、注いだ湯量がわからず、失敗でした。
ところが、90歳の母親にやらせてみると、ものの見事にでき、おいしいコーヒーがいれられました。母親は認知症なので、毎回手順を説明しなければいけませんが、リハビリにもなると、休日の朝は、母親にコーヒーを入れてもらってます。
私にはケトルでは注いだ湯量がわからずうまくいきませんでした。
そこで、「エアーポットならポンプを押した感覚で湯量が調整できる。」と思い、1.2リットルのエアポットを購入しました。お湯を沸かす前にどれだけポンプを押せば70ml出せるかをトレーニングして、必要量の水を入れて沸かし、ドリップアシストの上からお湯を注いでみました。結果は大成功でした。
パーフェクトとは言えないものの、ハンドドリップができ、サイホンとは違うコーヒーを味わえるようになりました。でも、リハビリになるので、もうしばらくは、母親に朝のコーヒーは入れてもらおうと思います。
(蒲郡支店 吉見)