1月21日に豊川市内にある障碍者支援施設において、らくなーる本部では初のトライアルをさせていただきました。
こちらの施設には、毎月らくなーる通信をお届けすることができておらず時々のお届けとなってはいたのですが、印象に残っておられたようで、施設長さんからご入居をされている方のお試しをやってほしいというご依頼をいただきました。
その日程調整をしているさなかに、同じ事業所の相談支援員さんから別のご依頼が飛び込んできました。それは、担当をしている方のなかに緑内障を患っている70代の弱視の視覚障碍当事者さんがいて、今後の生活についての相談にのってもらえないかというものでした。
私は東三河で中途視覚障碍者を支援するボランティアグループ「ビギン」のメンバーでもあるため何かその方のお役に立てたらと思いそちらもお引き受けすることにして、お試しと同じ日にお伺いすることにしました。
トライアルの方は、リクライニングタイプの車いすを使用されており歩行が困難で拘縮が進んできておられましたがなんとか無事に終了。ご家族様にもご納得いただき2月から週2回で訪問をさせていただいております。
生活相談の方は、お一人で住んでおられ、病気の進行に伴い様々な生活上の困難を抱えていらっしゃいました。白杖を使用し、歩行訓練を受講され、同行援護のヘルパーさんを利用していますから「福祉的ケア」は大丈夫そう。
もちろん定期受診をされ眼科の主治医の先生がいるでしょうから「医療的ケア」も大丈夫そうです。
一番のお悩みは、もしも明日全盲となったら自分は日常生活が送れるのだろうか?そんな不安が常に付きまとっていらっしゃるようなのです。私も同じ緑内障を患う当事者として、おはなししたことで心理的、精神的な不安が少しだけ取り除かれたのではないだろうかと感じました。
日本では視覚障碍者の8割が弱視と呼ばれる「ロービジョン」の方が占めています。
「ビギン」は見えない・見えにくい方の支援を行っていますが、どうしても全盲者に向けた支援が中心となっていました。しかし今回、こうしてロービジョンの方の相談に応じたことで、今後ロービジョンケアにも力を入れていかなければならないと実感しました。
ロービジョンの方は、当事者ひとりひとりで視力や視野、夜盲の有無など見え方が様々です。
「社会的ケア」や「福祉的ケア」、「教育的ケア」が受けられてもやはり「心理的ケア」の部分は当事者同士でしか補えないところだろうなあと改めて分かりました。
そんな悩みを抱えていても、どこに相談をしたらよいのだろうといったことがあると思います。東三河地方にお住まいの方でしたら、ぜひビギンを頼っていただけると嬉しいです。
また、私たちらくなーるで勤務しているマッサージ師も全員視覚に障碍を抱えた人が働いていますから、もし今回のように相談員さんの中に視覚障碍の方がいらっしゃって何か困っていることがありましたら、是非お声掛けください。お待ちしています。
(本部 中西)